2ヶ月半ぶりに美容室に行ってきた。今回はカットとカラーとヘッドスパをしてきた。
ホットペッパービューティの「新規クーポン」を使って安く済ませるため毎度別の美容室に行っている。私はいわゆる「美容室ジプシー」だ。
今回は久々ということもあり、少々奮発してヘッドスパもつけた。常日頃頑張っているし、たまの美容室くらい追加メニューも良いだろう。もちろん新規クーポンで定価よりずいぶん安く済ませているのだが。
今回行った美容室は全室個室のところだった。ドリンクサービスもあり、かなりいい雰囲気。
美容室に飾ってある（おそらく飾り用の）小説を図々しく二冊借り、席へ。担当美容師はカットとカラーをどうするかというカウンセリング以外一切話かけて来ず、黙々と私の髪の毛をカラー剤で染めていった。途中アシスタントに交代し、続きの作業を行う。このアシスタントも無駄に話しかけて来ない、静かだ、この美容室、なかなかいいじゃないか、と思いながらドリンクサービスのカフェラテを啜った。
そうこうしているうちにカラーの待ち時間が終わり、シャンプー台へ。三つあるシャンプー台にはすでに先客が一名、担当の美容師と仲良くおしゃべりをしながら施術を受けていた。
こちらもシャンプー台に寝転び、シャンプーとヘッドスパを受ける。静かだ。隣のお姉さんはこんなにも楽しそうに話をしているのにこちらは一言も発さない。たまの「湯加減どうですか」「流し足りないところはないですか」と業務的な声かけ以外は一切言葉を発さない。
ここで私はとあることを思い出した。ここ数年、美容室で美容師から話しかけられたこと、ほぼないわ、と。ここに限ったことでなく、どこの美容室に行っても美容師さんと雑談をした記憶がほぼないのだ。
これはもちろんホットペッパービューティの施術の方針等で「静かに過ごしたい」を選んだりしたからではない。ただただ話しかけられてないのだ。まぁ初っ端から、本を片手に「読むゾ〜！」といった表情で席にどかりと座る私に担当美容師も気づいたのだろう。懸命な判断だと思う。
ただ、小説等読んでない時も話しかけられたことはない。スマホも別に触ってない。美容師がカラー剤を塗布する様子を鏡越しに見る、カットのときの手捌きを鏡越しに見る、それくらいしかしてない時でもやはり話しかけられない。これはもう私が何をしているかは関係なく、私という存在が原因なんだろう。
ヘッドスパを受けながら隣の客の会話内容に聞き耳を立てる。ちいかわが好きなんですよ〜、◯◯ってVtuber知ってます？、中学の頃からボカロばっか聴いてて〜、等私でもこれくらいは喋れる、といった内容。しかし、私は喋っていない、なぜだ？何が私とこのお姉さんの違いなんだろう？
シャンプー中のため、見えないがなんとも楽しそうな声色。きっとこの人は表情豊かなんだろうな。多分スマホ触っていても美容師が何か問いかけたらパッと顔を上げて笑顔で雑談に応じるのだろう。おそらく私とこのお姉さんの違いはここだ、と思った。いつでもコミュニケーションできる体制をとっているのだ。そういうオーラを全身から発しているのだ。
対して私は仏頂面とまでは言わないが表情筋は硬く、嘘笑いができない。そのため会話で相手がボケたとしても数ミリ口角を上げるぐらいで目元の筋肉は一切動かない。そのくせ、施術中の手元をガン見である。怖いって。こんな奴に誰が話しかけるだろう。
普段からあまり人と接さないため、数ヶ月ぶりの美容室で少しワクワクしていた。それはイメチェンが叶うからではなく、会話に対する期待だった。このことに気づいたのは会計が終わり、外にでた後だった。
私は人と話すのがあまり得意ではないし、人と関わるのもそんな好きじゃない、と自負していただけに驚きだった。自分のこと、話したいんじゃん！！とはいえ、やはり人と会話するのは得意じゃないし、中身のない話に時間を溶かされるのはやっぱり嫌い。これはどうしたもんだろう。
そうか、通う美容室を固定したらいいんだ。「美容室ジプシー」だから話ができないんだ。
初回からガンガン話している人もいるが私はそれができない。やっぱり美容師さんからふらりとちょうどいい話題を投げて欲しい。きっと常連になったら美容師も私も顔馴染みということで自ずと話し出すだろう。先ほどのお姉さんも常連客だったんではないだろうか。
先ほどの美容室宛に口コミを書く。もちろん満点評価。次回行く時に備えて好印象を作ろう。実際にヘッドスパもカットもカラーも技術は非常に素晴らしかった。
前回はありがとうございました、素晴らしい技術ですねと次行ったら話しかけてみよう、そんなことを思いながら再度ホットペッパーで今日担当してくれた店の再来クーポンを見る。
….ねぇ( ﾟдﾟ)！！！！！
いや、あるにはあるが新規クーポンと比べると異様に高い。そして種類も少ない。カットとカラーのセットクーポンがないじゃないか。
通い続けられる美容室を求めて美容室ジプシーを続けることにした。新規クーポンだけでなく再来クーポンも通いやすい価格かどうか確認するようにしよう。いい美容室、見つかるといいな。
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